辿り着いたその先で

 

きっと。

 

いつか。

 

 

そんな言葉を繰り返してどれくらい過ぎたのだろう。

 

 

 

ラブライブ !フェスでAqoursに会ってから2年半が経つ。ラブライブ!フェスの後、しばらくして世界が大きく変わった。

Aqoursの進む道を何度も塞ぐライブ中止の知らせ。

 

「いつか」や「きっと」は明るい未来を想像させる言葉だと思っていたのに、先の見えない日々が続いていくうちに、いつしか不確かな言葉に縋るような気持ちに変わっていった。

 

 

風向きが変わることをただ願うしかなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

2021年8月に開催されたAZALEAの1stライブ以降、少しづつ有観客でライブ活動ができる環境に戻り、昨年末には5thライブ以来約2年ぶりの単独ライブ「Aqours EXTRA LoveLive! ~DREAMY CONCERT 2021~」が開催された。

そのMCではキャストさんが「止まっていた時間が動き出した」と話すくらい、ライブが再開できるまでの時間は長かった。

ラブライブ!サンシャイン‼︎のアニメの物語が一区切りついた今、キャラクターを背負っているキャストさんたちにとっては、ステージがラブライブ!サンシャイン‼︎を一番自由に表現できる場所だ。

表現できる場所を失うことは、やっぱり時間が止まってしまうことに等しい。

途方もないほどの喪失感と戦ってきたことはDREAMY CONCERTでの9人のMCから痛いほど感じ取ることができた。

 

 

でも、私はこれまで会えなかった時間を「止まっていた」とは言いたくない。

難しい時間が続く中でAqoursを応援してきた自分がそう言ってしまうと、Aqoursのみんながこれまで伝えて続けてくれたことが何ひとつなくなってしまう気がするから。

私はこの2年半の間もそれ以前と同じようにAqoursから貰ったエネルギーを糧に日々を生きてきたし、困難な時こそ側にいたい、痛みを分かち合いたいという気持ちで応援してきた。

度重なるライブの中止があり、そんな時に彼女たちのことを考えると、やるせないとか、そんな簡単な言葉で片付けることができないくらい行き場のない感情がずっと頭の中を漂うこともあったけど、苦悩の日々もいつか光に還るときが来ると信じていた。

日常を生きながら、Aqoursと再会できる日を待っていた。

 

もしも、日常からAqoursを切り離したとしても自分の日常は続いていくけど、この2年半はAqoursがいなかったらどうなっていたただろうと考えるくらい、彼女たちの歌に支えられてきた。

 

 

 

心に余裕がなくなった時、気持ちが沈んでいる時、消えそうな心の火にそっと手をかざしてくれた。

 

 

あと一歩踏み出す力が欲しい時、足取りが重くなりそうになった時、熱いエールをくれた。

 

 

だから、Aqoursの歌を聴くと少し自分が自分のままでいられる気がする。

Aqoursと過ごす日々がいつだって最高に楽しい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ラブライブ!という作品はライブが一番の魅力ではあるけれど、Aqoursはライブが思うようにできない中でも新曲、ラジオ、雑誌など様々なメディアで変わらず今を伝えてくれた。

無観客で行われたライブでも、彼女たち伝えてくれる熱量はこれまでと全く変わっていなかった。たとえ遠く離れた場所にいても、同じ時間を共有していたあの瞬間は間違いなく心が繋がっていた。

オンラインライブや声を出せないライブ、形が変わっていく中でも歩みを進めてきた彼女たちの姿を見て、「Aqoursらしいな」と思った。

戦う彼女たちが一番好きだ。

こんな一方的な期待を押し付けてしまうと、重荷になってしまうくらい沢山傷ついてきたことを知っている。

 

 

それでも、何度だって立ち上がってきた彼女たちの物語を見てきたから。

 

 

 

全てを抱きしめて進んできた姿を見てきたから。

 

 

 

どんな困難であろうとも一緒に乗り越えられると信じていた。傷つきながらも戦って、必死に前に進み続けてくれたおかげで、また会える日が来ると信じ続けることができた。

 

 

 

そして、ついに東京ドームで再会を果たせる日が目の前にある。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

少し最近のこと。

Aqoursとして2度目となる東京ドーム公演のテーマソング「なんどだって約束!」を初めて聴いた時、複雑な感情が入り混じっていたことを覚えている。

 

約束なんて簡単にできないと戸惑う気持ち。

 

それでも彼女たちが伝えてくれる想い。

 

私は彼女たちが歌に乗せてくる未来を信じたくなった。

こんなに明確なメッセージをまっすぐに伝えてくれるから。

「きっと」はもうすぐだよって言ってくれている。

 

「いつか」「きっと」と不確かな言葉に縋りながら、当て所なく彷徨っていたけど、ようやく行き先が見つかった。

決して綺麗な気持ちではないけど、この想いが私を約束の地まで運んでくれたんだと思う。

この曲を東京ドームで受け取った時、目の前にどんな景色が広がるのか今から楽しみで仕方がない。

 

 

 

 

 

 

 

 

変わりゆく世界を見てきたからこそ、変わらない気持ちを大切にしてきたつもりだ。

趣味に費やせる時間が年々少なくなっていくのを感じて寂しい気持ちはあるけれど、それでもAqoursを好きな気持ちは何ひとつ変わらない。

むしろ好きな気持ちは増す一方だとも感じている。

会えない時間が好きの気持ちを育ててくれた。

ラブライブ!フェスの直前、もうラブライブ!と共に過ごす時間はそう長くないと感じることもあったけど、あの時よりもっとAqoursが好きな気持ちを胸にライブの日を迎えられる。その事実が何よりも嬉しい。

元々あまり多くを話さないし大事なことほど心の中にしまっておく人間なので、あまり伝わらないかもしれないけど、それでも伝えたいことが沢山ある。

 

 

 

だからまた、彼女たちに会いに行く。

 

 

 

 

 

想いは風になって、彼女たちの元に届くはずだから。

 

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